悪玉コレステロール、善玉コレステロールとよくいわれますが、実はコレステロールに悪玉も善玉もないというのはご存じですか?
この記事では悪玉コレステロールと言われるLDLと善玉コレステロールと言われるHDLとはどんな物質なのかを解説します。
LDLとHDLはコレステロールの乗り物

「代謝」がわかれば身体がわかる(光文社新書)
- コレステロールは肝臓で合成される
- しかし水に溶けないのでVLDL(超低密度リポ蛋白質)に乗って運ばれる
- VLDLが運ぶ物質はほとんどが中性脂肪で脂肪細胞へ運ばれる
- 中性脂肪は脂肪細胞でVLDLから下車する
- VLDLから一部のアポリポ蛋白質をHDLへ受け渡す
- HDLは血液中の脂質の量を微調整する極めて有能な脂質輸送媒体である
- VLDLは小さくなってコレステロールだけを乗せた乗り物になる。これがLDLと呼ばれるもの
- LDLは全身を巡りながら各細胞の求めに応じてコレステロールを供給する。
- 供給し終わったLDLは肝臓にもどる
- LDLもHDLもコレステロールや中性脂肪を輸送する乗り物のこと。コレステロールそのものではない
- すなわちLDL=悪玉コレステロール HDL=善玉コレステロールというのは間違い
- コレステロールに2種類あるわけではない
- 悪玉コレステロールという表現は事故に遭った乗り物の乗客が悪いと言っているようなもの
- コレステロールそのものは別に悪くない
コレステロールの再利用

「代謝」がわかれば身体がわかる(光文社新書)
- コレステロールは人体にとってカロリーとならない脂質である
- コレステロールを食べて太るとかではない 分解されないから
- 肝臓へ戻ってきたコレステロールは胆汁酸へ変化する
- 胆汁酸は消化管へ分泌され食事由来の脂質をミセル化して吸収できる状態にする。
- その後、胆汁酸も吸収されてふたたび肝臓へ戻る。→再び胆汁酸としてリサイクルされる
- すなわち体内に存在するコレステロールの多くは循環し続ける
- 食事から摂取されるコレステロールの量や、小腸からの再吸収の量に応じてコレステロールの合成は調整される。
- 体内にコレステロールは120−140gある。タマゴ6個でやっと1%程度
- 体内のコレステロールのうち、食事由来は2割程度でしかない
まとめ
- コレステロールに悪玉・善玉の2種類あるわけではない
- LDL、HDLはコレステロールを運んでいる乗り物
- コレステロールはリサイクルされる
- コレステロールを食べても太らない(分解されないから)
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