コレステロールとは体内でどのような働きをしているのでしょうか?またコレステロールは何から合成されるのでしょうか?
この記事では「代謝」がわかれば身体がわかる(光文社新書)よりコレステロールの働きで最重要な細胞膜の構成因子としての役割とその合成について解説します。
コレステロールは細胞膜のコーディネーターである
- コレステロールは細胞膜の流動性を調節する脂質である。
- その他にも消化吸収の補助やホルモンの合成材料など様々な働きがあるがメインはここにある!
- 細胞膜は脂肪酸とコレステロールでおもに構成されている。
- 脂肪酸は「線」の構造、コレステロールは耳が数枚つながったような「面」の構造
- 脂肪酸の海の中に浮かぶ「安定した島」のような役割
- コレステロールは細胞膜を安定させる「まとめ役」でありコーディネーター
コレステロールの合成
- アセチルCoA→HMG-CoA
- HMG-CoAはHMG-CoAレグダーゼによってメバロン酸になる
- ※このHMG-CoAレグダーゼを阻害するのが悪名高き「スタチン」である。
- メバロン酸はその後4つの段階を経てイソペンテニル二リン酸(活性イソプレン)となる。
- 活性イソプレンから脂溶性のビタミン(A,D,K)が合成される。その他カロテン、リコピン、メントールなども
- 活性イソプレンから小胞体膜での多段階反応でコレステロールが生成される。最終的にアセチルCoAから17段階の反応を経てコレステロールが合成される。それほどまでに重要な物質である。
- 難しいですね。
質問:飽和脂肪酸から、コレステロールはつくられると理解していますが、不飽和脂肪酸も含んでいるのでしょうか?
コレステロール合成の出発点はアセチルCoAですが、アセチルCoA自体はクエン酸回路の出発点であるクエン酸の前駆物質にもなっているもので、グルコースからの経路や脂肪酸からの経路、アミノ酸からの経路などいろいろな経路からの集結点であり、かつ分岐点でもある物質です。
少なくとも脂肪酸からコレステロールへ一直線へ合成されるということはありません。
また飽和・不飽和脂肪酸の違いは融点の違いです。どちらも同じようにβ酸化されてアセチルCoAが合成されます。