「コレステロールを下げる食品を教えてださい!」
ネット上の質問サイトではこのような質問をされる方が多いのですが、はたして食事でコレステロールを下げることができるのでしょうか?
この記事ではコレステロールを下げる食事があるのか?そして下げることでどのようなことが起こるのかについて解説します。
コレステロールを下げる食事とは?
ネットでググってみると・・・
ネットでググってみてコレステロールを下げると書かれている食品をリストアップしてみました。
野菜、海藻→コレステロールの吸収を抑えるから(真偽は不明)
大豆→LDLをゆっくり下げる効果があるそうです(真偽は不明)
魚類→EPA/DHAが含まれるから?
脂身の少ない赤身肉→脂身がすくないからだそうです。コレステロールの含有量が低いということでしょう
不飽和脂肪酸を多く含む食品→コレステロールが含まれていないと言うことでしょう
果物→真偽は不明
適度のアルコール→真偽は不明
文献ではどう書いてある?
本邦報告学術論文でコレステロールと食事に関する文献をあさってみました
飽和脂肪酸の多い食品は血中コレステロールを増やす作用がある
→しかし飽和脂肪酸の摂取量が極端に少ないと脳出血の発症率が高いことが報告されている
n-6系多価不飽和脂肪酸でLDLが低下する?
→しかし動脈硬化性疾患に対する予防効果は明らかではないと述べています
「トランス脂肪酸はLDLを上げる」
→その機序は不明
外国における臨床研究
「コレステロール 嘘とプロパガンダ」によると1960年代に食事でコレステロールを下げる臨床研究が多く行われています。
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ロサンゼルス食餌療法試験 1969年
動物性脂肪を減らして植物油の割合を増やした実験群と対照群で比較
実験群では平均13%の血中コレステロール低下を認めた。
しかし、体重が増え、ガンも増えた
1960年代の三つの研究(オスロ、ロンドン、シドニー)
動物性飽和脂肪を大幅に減らし、その代わりに植物性の不飽和脂肪(トウモロコシもしくは大豆)を加えた食事(実験群)
実験群は15−20%のコレステロール低下を認めた。しかし・・・
オスロ:死亡者に差なし
ロンドン:心疾患による死亡率はほぼ同じ
シドニー:コレステロール低下療法に従った群で有意に死亡率が上昇!
考察
コレステロールは肝臓が80%、食餌性20%といわれています。なので、コレステロールを含まない植物性脂肪にすることで食餌性コレステロール分の最大20%程度コレステロールを下げることになるようです。
しかし、食事で吸収するコレステロールが少なくなると肝臓はその分コレステロールを合成して補充するので15%程度の低下にとどまるものと考えます。
結論
1.植物性不飽和脂肪を多く摂ることでコレステロールは15%程度下げることができる。
2.しかしコレステロールが下がると、健康に悪影響を与える可能性が高い。
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