コレステロール低下薬であるスタチン系薬剤にはあまり知られていない副作用があります。どうしてこれらの副作用はスルーされているのでしょうか?
この記事ではスタチン系薬剤の副作用とそれらがなぜか問題視されていない件について解説します。
スタチンの副作用
スタチンの筋肉と靭帯に対する影響
- スタチン内服している患者の筋生検を行うと毒性の徴候が存在する
- 重篤な副作用として横紋筋融解症がある
重篤副作用疾患別対応マニュアル 横紋筋融解症(平成18年厚生労働省)
横紋筋融解症は、骨格筋の細胞が融解、壊死することにより、筋肉の痛みや脱力などを生じる病態をいいます。
その際、血液中に流出した大量の筋肉の成分(ミオグロビン)により、腎臓の尿細管がダメージを受ける結果、急性腎不全を引き起こすことがあります。
また、まれに呼吸筋が障害され、呼吸困難になる場合があります。
横紋筋融解症は多臓器不全などを併発して生命に危険が及んだり、回復しても重篤な障害を残したりする可能性のある危険な副作用です。
スタチンによるガンのリスクとは?
スタチンを長期間内服しているとガンが発生しやすくなると言われています。
- スタチンの臨床試験は平均5年間であるが、発がんを証明するには臨床試験が短すぎるため証明が困難
- そのためスタチンの影響でガンが僅かでも増加していたら重く受け止めなければならない(短い期間でガンが増えたということ)
- PROSPER試験(3年間)でスタチン服用患者は対照群199例に対して245例のガン発生、91例に対して115例の癌死を認めた。
- その他にもアトルバスタチン10mgと80mg群での高齢者の比較で、アトルバスタチン80mg群は非心臓死が76人に対して98人と多く、癌死が40人に対して55人と多かったという報告
- スタチンはガンの「再燃スイッチ」である。それはコレステロール以外の脂質への影響のためで、特にオメガ6系脂肪酸の合成を増加させるから
スタチンを飲むとオメガ6系脂肪酸が上昇する
スタチンとオメガ3系脂肪酸,オメガ6系脂肪酸との関係について
- スタチン内服と抗コレステロール食餌療法では治療中の患者の血液と細胞の中にオメガ6系脂肪酸、とりわけアラキドン酸の濃度上昇が認められる。
- アラキドン酸の代謝を阻害するとある種のガンのリスクを下げることができる。ということは、すなわちアラキドン酸が上昇するとガンが発生しやすくなる。
- スタチンはオメガ6系脂肪酸の濃度を上げることでガンを増加させるのでは?
スタチンと認知症
スタチンを飲むと認知症が進行するという報告があります
- スタチンはオメガ6/オメガ3の比率を40%近く上昇させる
- すくなくとも5つの疫学研究でオメガ3は認知機能低下を鈍化させ、オメガ6は逆に加速させる。
- 2008年2月12日ウォールストリートジャーナルは「スタチンは女性を愚鈍にする」という見出しの記事を出した。
まとめ
スタチンの副作用について述べました。
筋肉に対する影響はすぐにわかりますが、ガンの発生や認知症の進行はゆっくり進むので短い研究でのエビデンスはありません。
しかしスタチン自体の心臓に対する効果がないのであれば、このようなガンや認知症を進行させる可能性のある危険な薬をそもそも飲ませる必要はないとおもいませんか?
しかし2020年になっても医師は気軽にスタチンを患者に処方し続けているのが現状です。