もう数年前ですが、下腹部痛で紹介されてきた女性
触診で下腹部に大きな腫瘤を触れます。
卵巣腫瘍か?と思ってCT検査をしてみると
なんとS状結腸に溜まっていた便でした!
「野菜はよく食べますか?」
「はい!心がけてサラダとか食べてるんですけどね〜」
「今後は一切野菜を食べないようにしてください!」
「えー?!!」
衝撃! 野菜を食べすぎた人のお腹の中
便通が悪い人は、野菜が足りないのでは?と考えてしまい、更に大量の食物繊維を食べてしまう傾向にあります。
これは、つまりかけの排水管に上からゴミを詰め込んで出そうとする危険な行為です。
少なくとも排便があるまでは食物繊維の摂取を控えなければなりません。
これは便秘で苦しんでいる人の典型的なCT像です。
S状結腸に多量の便塊がありますが、その口側の上行結腸まで便が貯留しています。
常時、食物繊維の多い食事をしているとこういう風に大腸全部にわたって便が貯留していることになりますが、ここで便秘になって排便がなくなると直腸に貯まった便の水分が吸収されて硬ーい「便塊」になってしまいます。
先日経験した患者では便塊が石みたいに硬くなっていました。
結論
- 慢性的に便秘である人は野菜は極力食べないようにするべき
- この状態で便を出そうと思って野菜を食べると、さらに便がつまって苦しむ
- 詰まりかけた排水溝にうえからゴミをさらに押し込んでいる状態
- 肉・魚などのタンパク質は消化液で小腸でほぼ完全に吸収されるので便にならない