【書評】20歳若く見える人の食べ方 老けない、太らない、疲れないオーガスト流フードヒーリング:オーガスト・ハーゲスハイマー著

2016年3月11日

いや~以前に「卵は最高のアンチエイジングフード」という同作者の本を読んで、なかなかいいこと書いてあるなーと感心していたんですが・・・

この本を読んで「マジっすか!オーガスト・・ オーマイゴッド!」と叫びたくなりました。

食品をアルカリ性食品・酸性食品に分けて、酸性食品は身体に悪いのでアルカリ性食品である生野菜をたくさん食べましょうという論理です。

そもそも、アルカリ性食品・酸性食品なんていう分け方自体に意味がありません。古くから有ったエセ科学です。

酸性食品とアルカリ性食品(さんせいしょくひんとアルカリせいしょくひん、Acid Food and Alkaline Food)とは、グスタフ・B・フォン・ブンゲ(Gustav B. von Bunge; 1844 — 1920)の発表した学説を発端とする食品の分類である。肉を食べると含硫アミノ酸(当時は硫黄と呼ばれた)が硫酸に変化し、体組織を酸性にするのでアルカリ性のミネラルを摂取する必要がある、と主張した ( Wikipediaより)

それでは、どうやって食品を酸性・アルカリ性に分けているのでしょう?リトマス紙を食品にぺたぺた貼っていくのでしょうか?そうではないようです。

食品の酸性・アルカリ性は、食品そのものではなく食品に含まれるミネラルが酸性かアルカリ性かを判断する。測定は、食品を燃やした灰を水中に入れて溶出成分を含む水溶液を調製し、その水溶液のpHを計測する

食品を燃やした灰を水に溶かしてpHを測定するって・・・食べたものは身体の中で燃やされているわけではないでしょうに。消化されて吸収される複雑な化学反応なのに。

それでも肉とか卵とかがアンチエイジングに効果があるということは理解されているので、「酸性食品」である肉をたくさん食べると・・・ヤバイ!

それなら「お皿の半分以上は生野菜にしましょう!」と野菜を食べて中和?するつもりなんでしょう。

食べたものは酸性であれアルカリ性であれ、胃酸という強酸で消化され、その後は腸液というアルカリ性消化液でさらに分解される。食べたものpHが何であろうと、この人体の消化吸収メカニズムに対してはなんの影響も及ぼさない(強酸・強アルカリの薬剤はべつだろうが)。

「酸性食品の害をシャットアウトするためにも 、もっと新鮮な生野菜の摂取を増やすようにしましょう 。」

酸性アルカリ性に固執しすぎて、せっかくのタンパク質、脂肪を充分に取りなさいという主張が台無しである。肉は体に悪いということでいいのか?

まあ、自分の会社で売っている”ベジパワープラス”の宣伝が目的なんでしょうかね。

  • B!