【コレステロールの嘘】健診でコレステロールと中性脂肪を測る意味はあるのか?

最近は若い人も健康診断を受けることが企業で決められているため、多くの人が健康診断の結果で無駄な不安感を植え付けられています。

その理由は主に脂質異常症と言われることです。

血液検査でコレステロールや中性脂肪が高いと脂質異常症の疑いがかけられて精密検査を受けるように指示されてしまいます。

はたしてコレステロールや中性脂肪が高いことは病気なのでしょうか?

はたまた今後なんらかの病気を引き起こすのでしょうか?

結論

コレステロールも中性脂肪も健康診断で測定する意味はありません。

あえていえばLDLやHDLが低いことが問題になるくらいでしょう。

以下がその理由です

  • 不必要な投薬を受ける危険性(スタチン系薬剤)
  • 精神的に不安感をうえ付けられる危険性
  • 無駄に「脂質異常症」の診断を付けられるリスク

以上により健康診断でコレステロールや中性脂肪を測定することは益がないばかりか逆に弊害があると言えます。

某質問サイトでの投稿例

某質問サイトでは以下のような投稿が溢れています。

その大部分が健康診断でコレステロールや中性脂肪が高いことを指摘され不安に陥っているものです。

健診でLDLコレステロール値が166でした。 54歳女性です。生活習慣に気をつけ、3ヶ月後の受診をすすめます、とのことですが、何に注意したらよいですか?
悪玉コレステロールが高いと色々な病のリスクが高まるとあり心配です どうしたら来年の結果が基準値になるでしょうか

脂質異常症とは

以前は高コレステロール血症、高脂血症などと言われていました。その後、低HDLコレステロール血症も加わったため高脂血症→脂質異常症となりました。

以下はWikipediaよりの引用です

高コレステロール血症

血液中の総コレステロール値が高い(220ミリグラム (mg)/デシリットル (dL)以上)タイプの脂質異常症である。

現在WHO、アメリカ、日本のガイドラインは、いずれも総コレステロール値に注目していない。

高LDLコレステロール血症

高LDLコレステロール血症(高LDL-C血症)とは、LDL中のコレステロールが血液中に多く存在する(140 mg/dL 以上)タイプの脂質異常症である。

アメリカ合衆国のACC/AHAガイドラインでは、家族性高コレステロール血症以外についてはLDLの目標値を設定するエビデンスはないとされていた。

LDLコレステロールは単にコレステロールを肝臓から他の臓器に運ぶ働きがあるだけで、その存在自体は体にとって必要であり、単純に悪玉であるとは考えられていない。

LDLコレステロール140以上という基準値も日本動脈硬化学会がいまだに固執しているだけで、米国や日本脂質栄養学会、日本人間ドック学会の基準値より極めて低く設定されています

低HDLコレステロール血症

血液中の善玉コレステロール (HDL) が少ない(40 mg/dL 未満)タイプの脂質異常症である。

特に女性において、心血管疾患の重要なリスクファクターとなりうる。

HDLにしろLDLにしろコレステロールが低い事は身体にとって悪影響があるのは自明のことなのですが、恐らく善玉コレステロールが低いのは良くないという発想から来ていると推測されます

高トリグリセリド血症

血液中に中性脂肪(トリグリセリド)が多く存在する(150 mg/dL 以上)タイプの脂質異常症である。1997年の国民栄養調査では、日本人の男45%、女33%が該当する。内臓脂肪型肥満の人に多い。

中性脂肪値は検査前12時間の絶食が厳密に必要です。食事後に測定すると上昇します。特に脂肪食を食べていた場合は大きく上がるようです。そのため12時間の絶食を守らずに検査した結果は意味がありません
【脂質異常症といわれたとき】(その5)中性脂肪が高かったら?

健康診断で中性脂肪の異常値を指摘されててびっくりする人が結構多いようです。某質問サイトでも不安感にさいなまれた方の投稿が多く寄せられています。 はたして、血液検査で中性脂肪が高い場合はどんなことが予想 ...

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高コレステロール血症

コレステロールの正常値

LDLコレステロールの値はきれいな正規分布を示します。これを見ると120台や130台は正規分布のほぼ中央にあることがわかります。

しかし!日本動脈硬化学会のガイドラインでは「境界値」として警告しています。

そして脂質異常症と診断される140mg/dlですら正規分布からみると「異常」とは言えないことがわかります。

この分布図からは日本人間ドック学会の基準値180mg/dlが妥当なラインであることがわかります。

健康診断の基準値はほとんど日本動脈硬化学会の基準値を採用しています。

そのため国民の半数近くが基準値を外れるという事態になっています。

これは基準値の設定自体が誤っているためです。

高トリグリセリド血症

中性脂肪を測定するにあたっての注意点

12時間前からの絶食が基本 絶食を守らずに検査しても参考になりません。

中性脂肪(トリグリセリド)の正常値

こちらも国民健康調査からのDATAです。

これをみると200mg/dl以上がひとくくりにまとめられていますが、結構な数がはいってますね。

おそらく、中性脂肪値は正規分布ではなく右下がりに長い分布をしているものと思われます。

中性脂肪は150mg/dl以下が正常としています。なんと男性では39.9%が異常値、女性では26.4%が異常値です。

特に40才台の男性では56.1%が異常値を示しています。

これも基準値の設定がおかしいのではないのでしょうか?

脂質異常症という診断名が無駄に付けられる

民間保険に入るときに脂質異常症はどういう扱いになるのでしょうか?

これはかなり深刻な問題ですので別の記事にまとめたいと思います。

まとめ

コレステロールも中性脂肪も基準値の設定に疑問があります。

その基準値を元に「脂質異常症」と診断されて投薬がなされている現状があります。

健康診断でコレステロールや中性脂肪を測定する意味はありません。たとえ遺伝性脂質異常疾患のスクリーニングの意味があるとしても、それならば毎年する必要はないのではないでしょうか?
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