7月7日(金)の虎ノ門ニュースで、私の尊敬する武田邦彦先生が変なことを言ってました。
「体が緊急になると常に肝臓が犠牲になるんですね」
「我々は一日絶食すると、肝臓の大きさが20%減るんですね」
「なんでかというと、食べないから、頭が必要な栄養とかなくなっちゃう。頭は働かさないといけないでしょ。肝臓が自分の細胞を分解して頭に栄養を供給しちゃうんですね」
これは劉暁波氏が肝臓癌になった原因について薬物を注射されたのではないかという大高さんの疑問に武田先生が答えたものです。
武田邦彦先生は科学者という立場から毎回興味深い視点より論評されるので、いつも楽しみに拝聴しております。
しかしながら、1日絶食しただけで肝臓が80%に縮小するのであれば、2日目には64%に、3日目には51.2%と半分になることになります。
腸閉塞の治療をしていると1週間ぐらいの絶食はザラにあります。
だいたい初日にCTを撮りますけど、1週間以上たっても腸閉塞の改善がなければ、もういちどCTを撮ることが多いです。しかし1週間絶食で点滴のみ(少量のブドウ糖程度でアミノ酸などはいれません)で過ごしても肝臓の大きさが小さくなるなどと言う経験はありません。ちなみに1日で80%肝臓が縮小するのであれば、1週間で20.9%まで小さくなる事になります。そんなバカなことは経験上あり得ません。
武田先生は面白いことを言われるので、毎回楽しみにしてますけど
医学的な事に関しては、ときどき変なことをおっしゃるので・・・・
人間が絶食したときに、脳細胞への栄養はどうなるかというと
肝臓における糖新生と、脂肪を分解してできたケトン体が脳細胞の栄養になります。
まずは体脂肪を一番先に分解するはずです。体脂肪がなくなったときにつぎに筋肉を分解するでしょう。そもそもホモサピエンスは食物が豊富なときに脂肪を蓄積しておいて、絶食時にも生きていけるように進化した動物なのですから。
(だから胸とおしりがでてるんです)