人類史 書評 糖質制限

【書評】ヒトはなぜ太るのか?そしてどうすればいいのか:ゲーリー・トーベス著

2015年7月9日

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この本は炭水化物制限本の中でも一押しです。

いわゆる 入るカロリー/出るカロリー理論というのは1900年代から出てきた物理学における熱力学第一法則をもとにした理論であることを詳細に記してます(それ以前は糖質が太る原因であることは一般的に知られていた!)

この理論が瞬く間に広がっていったために、食事を減らして運動をすれば痩せる!という間違った考え方が常識となってしまっています。

この、入るカロリー/出るカロリー理論の間違いを丁寧に論破した本です。

以下、ヒトが太る機序

  1. 炭水化物を含む食事を食べる
  2. インスリンを分泌し始める
  3. インスリンは脂肪酸の放出を止め、血液中からもっと多くの脂肪酸を取り込むように脂肪細胞に信号を送る
  4. 空腹になる。またはもっと空腹になる。
  5. 食べ始める
  6. もっとインスリンを分泌する
  7. 炭水化物が消化され、ブドウ糖として血液中に入り、血糖値が上がる。
  8. さらにインスリンを分泌する
  9. 食事に含まれる脂肪は中性脂肪として脂肪細胞に貯蔵される。また肝臓で脂肪に変換された一部の炭水化物も同様である
  10. 脂肪細胞は太り、あなたも太る
  11. インスリン濃度が低下するまで、脂肪は脂肪細胞にとどまる

私たちは過食するから太るのではない。私たちは太りつつあるから過食するのである。

ビタミンCは動物性食品には比較的少ない唯一のビタミンである。
ビタミンはブドウ糖と同じ仕組みをつかって(必要とされる)細胞内に入るため、血糖値が高いほどブドウ糖が余計に細胞に入り、ビタミンCの吸収は少なくなる。インスリンもまた腎臓におけるビタミンCの九州を抑制し、その結果炭水化物を食べると、体内に保持して利用すべきビタミンCが尿と一緒に排泄される。

 もし食事に炭水化物が含まれなければ、必要とするすべてのビタミンCは動物性食品からえられる可能性が高い。

これは進化の観点から見ても理屈に合っている。なぜなら、赤道から離れ長い冬を経験する場所に住む集団は、数ヶ月あるいは数年(例えば氷河期)の間、猟によって手に入れた獲物以外は何も食べずに過ごしていたからである。これを考えると、必要なビタミンCをえるためにオレンジジュースか新鮮な野菜を毎日食べる必要があるという考えは不合理のように思われる。

 


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