【コレステロールの嘘】ピル(経口避妊薬)を飲むとなぜLDLコレステロールが上昇するのか？

ピル（経口避妊薬）を飲んでいる女性から、ピルの内服でLDLコレステロールが上昇する理由について質問がありました。

今回ピルとコレステロールの関係について調べてみました。

経口避妊薬とは？　ウィキベディアより

まずは経口避妊薬ってどんな成分が含まれているのでしょうか？

女性ホルモンである卵胞ホルモン（エストロゲン）と黄体ホルモン（プロゲステロン）が含まれているよ齲です。

以下Wikipediaからの引用です

経口避妊薬には成分にエストロゲンとプロゲステロンが含まれ、これにより排卵を抑制する。

避妊の機序は、

• 排卵の抑制
• 子宮頚管粘液の性状の変化（精子の子宮内侵入を抑制）
• 子宮内膜の変化（受精卵の着床抑制）

である。正しく服用した場合の妊娠の確率は・・（以下略）。

避妊目的のOC以外にも、生理周期の変更や月経困難症の緩和、子宮内膜症の治療などに使われるLEPが存在している。

国際的にも昔は高用量ピル・ホルモン量が低用量ピルの10倍程度の中用量ピルが用いられていたが、副作用の低減を目的として、低用量ピル・超低用量ピルが開発されて主流となっている。

日本では、以前からホルモン治療目的の、高用量ピル・中用量ピルが認可されていたが、1999年（平成11年）に、避妊そのものを目的とした低用量経口避妊薬（oral contraceptive (OC)）が認可され、

2008年（平成20年）に月経困難症や子宮内膜症の治療薬として、LEPの低用量ピルも認可された。避妊用としては、低用量ピルが主流になっている。

ピル（経口避妊薬）でLDLコレステロールが上昇する理由

どうしてピルを飲むとLDLコレステロールが上昇するのか？についての明確な機序についてはわかりませんでした。

以下色々なサイトから理由を抜粋してみました。

MSDマニュアル（家庭版）

経口エストロゲン、経口避妊薬・・・・は、コレステロール値や中性脂肪値を上昇させることがあります。

経口避妊薬とステロイドホルモン動態　原田 省　臨床科学　2000

高用量ピルではLDLコレステロールの増加とHDLコレステロールの低下がみられ,動脈硬化症の危険因子となっていたが

低用量ピルでは脂質代謝への影響は少なく,ピルの種類によってはLDLコレステロールの低下およびHDLコレステロールの増加という

むしろ動脈硬化のリスクを低下させる成績も示されている。

ピル（経口避妊薬）を飲むとコレステロールが上がるって本当？原因と対策を栄養士がアドバイス

http://www.ldl-cholesterol-o-sageru.com/archives/2857.html

• ピルには低用量ピルと中用量ピルの2種類がある
• どちらも卵胞ホルモンが配合されている
• ピルには黄体ホルモン（プロゲステロン）も含まれている
• プロゲステロンがエストロゲンより多くなってしまうとコレステロールが上昇する
• エストロゲンはコレステロールを低下させる作用がある

低容量ピルの添付文書には何と書いてあるのか？

添付文書には脂質代謝異常のある患者（すなわちLDLが高い患者）には禁忌（投与してはならない）みたいなこと書いてますが、

LDLが更に上昇する→ヤバいんじゃない？みたいな安易な考えっぽいです。

実際にLDLが上昇することで何らかの疾患を惹起したという報告は見たことありません。

そもそもLDLの上昇と血栓症は関係ありません。

以下添付文書の記載です

脂質代謝異常のある患者［血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。

また、脂質代謝に影響を及ぼす可能性があるため、症状が増悪することがある。

まとめ