みなさん悪玉コレステロールを下げて善玉コレステロールが上がれば、より健康になると思ってませんか?
CETP阻害薬とはこの善玉をあげて悪玉を下げるという理想的な薬のはずでした。しかし・・・臨床試験で死亡率が極端に増加したため中止となっています。
このIlluminate試験とはファイザー社が企画したものでした。
なんと試験の途中でファイザー社の指示により臨床試験が突然中止されてます。
臨床試験を行っている医師は製薬会社の単なる道具ということがはっきりした試験でした。
Illuminate試験とは?
- 2007年にThe New England Journal of Medicine(NEJM)で発表された。
- 悪玉コレステロールをスタチンで下げることが重要ならば、善玉コレステロールをあげることも重要では?という仮説に基づく試験
- 臨床試験で使われたトルセトラピブはCETPという酵素を阻害する特性を持つ
www.nejm.org
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa031766
CETP阻害薬とは?
- CETP阻害薬とは、コレステリルエステル転送蛋白(CETP)を阻害してHDLを増加、LDL・VLDLを減少させ、脂質異常症を治療しようとする薬
- CETPはHDLに存在する糖タンパク質の一種であり、HDLからLDLやVLDLへコレステロールを転送する。
- CETP阻害薬はこの転送を阻止し、HDL(善玉コレステロール)を増加させ、LDL(悪玉コレステロール)を減少させる。
Illuminate試験の顛末
- 心臓死リスクの高い患者15000人を対象とした無作為試験
- アトルバスタチン+トルセトラピブ群とアトルバスタチン+プラシーボ群で比較
- 両群間の比較が同等ではなかった!(トルセトラピブ群は合併症をもつ患者が少ない)。
- すなわち最初からバイアスがかかっていた。
- トルセトラピブ群はLDLコレステロールが25%減少しHDLコレステロールが72%増加した。
- しかし合併症が少なかったはずのトルセトラピブ群で死亡数が極端に多かった!
- ファイザー社は慌てて一方的に臨床試験を中止した。
その他のCETP阻害薬試験
Wikipediaによると現在進行中の試験が1つ、中止となった試験が3つです。
開発中止された薬剤
- エヴァセトラピブ:第III相臨床試験が実施されていたが、2015年10月に目標を達成できない事が明らかとなったとして開発中止
- トルセトラピブ:第III相臨床試験の結果、死亡例が増加したため、2006年12月に開発中止
- ダルセトラピブ:第III相臨床試験で有用性を見出だせなかったため、2012年5月に開発中止
開発中の薬剤
- アナセトラピブ:第III相臨床試験実施中
まとめ
- 善玉コレステロールが増加しても何の効果もなかった。
- 悪玉コレステロールが減ったが効果はなかった。
- 結論として善玉・悪玉コレステロール説は間違いである。
- Illuminate試験に参加した患者は毒を盛られた結果となった。