前回に引き続いてコレステロールに関連する臨床試験のまとめ第2弾です。
第一弾は↓です。
結論としてはコレステロールは心血管系疾患の発症になんの関係もありませんでした。
以下臨床試験の要約を列記します。
第2のオスロ研究
- 地中海式ダイエットにヒントをえた北欧風地中海食を食べた実験群と対照群の比較
- 8年半の追跡結果で40%の総死亡率低下を認めたが、コレステロールや喫煙とは関連がなかった。
- 実験群ではより多くの魚類、穀物類、果物、野菜を食べタンパク質、炭水化物、微量栄養素をより多く摂取していた。
DART試験
- 心筋梗塞の予防には脂肪の減少も食物繊維の増加も関連しない
- 脂ののった魚を増やすことで2年以内に心疾患による死亡および総死亡率を30%減らすことができたが、コレステロール値は両群間で差がなかった。
- しかしコレステロール学派は無視した。
リヨン・ハートスタディー
- リヨンの人々を対象にした臨床試験
- 実験群は地中海式食事、対照群はそのまま
- 総死亡率および心疾患による死亡率は50%減少したが、両群間のコレステロール値はまったく変わらなかった。コレステロールはなんの関係もなかった。
GISSI
- ビタミンE、オメガ3系脂肪酸、この両方、なにもなしの4群で比較
- 3年半後20%の総死亡率の減少30%の心疾患による死亡の減少、これは突然死が45%低下した結果であった。
- やはりコレステロール値は4群で変化なかったが、オメガ3系脂肪酸の保護作用がはじめて報告された。
まとめ
臨床試験でコレステロールを下げても命を救うことはできなかった。
国民によってはコレステロールと心血管疾患のリスクに相関関係があることもあるが、この相関関係は低く不確かである。
また相関性は因果関係を表しているわけではない
(コレステロールが原因で心血管系疾患に罹患することが証明されているわけではない)。
このあと製薬会社がスタチンという薬を開発することからお金が関係してきます。スタチンの時代が始まります。
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